【相続】樺太の戸籍・存在しない場合

故人(被相続人)が太平洋戦争前後に樺太に住んでいた場合、当時の戸籍が存在しないことが少なくありません。この場合、相続手続は非常に複雑になりますので専門家に依頼することをお勧めします。

相続が発生すると、原則、相続人(子ども・養子等)を特定するため、故人(被相続人)の出生〜死亡までの戸籍を収集する必要があります。樺太の戸籍が取得できないことは、法定相続人を確定するために必要な戸籍の一部が繋がらなくなることになります。樺太の戸籍がない期間に、生まれた子供がいるのか、養子がいるのかわからないため、法定相続人の確定ができません。

樺太の戸籍のうち一部の戸籍については、外務省で戸籍簿及び除籍簿の原本を保管されていますが、これらの戸籍簿等の原本は終戦時に現地から持帰られたものであり、戸籍法上の戸籍簿ではなく、行政文書のひとつとして外務省において事実上保管されているものになります。

外務省保管の樺太戸籍簿等については、便宜的に簡易な手続を設けてその開示申請を受付ています。保管していない場合にはその旨を回答してもらえますが、これは外務省においては保管されていないことを回答するものであり、当該戸籍の滅失等を証明するものではありません。

  • 大泊郡知床村 戸籍簿 15冊 除籍簿 3冊
  • 大泊郡富内村 戸籍簿 1冊
  • 大泊郡遠淵村 戸籍簿 4冊
  • 敷香郡内路村 戸籍簿 9冊
  • 敷香郡散江村 戸籍簿 4冊
  • 元泊郡元泊村 戸籍簿 8冊

該当の村であったとしても、終戦時に持ち出せた一部であるため、終戦時以降の婚姻や出生等、更には終戦後の内地への転籍などはこれらの戸籍簿等には記載されていません。つまり、戸籍が戦争で焼失している場合、自治体で発行される「廃棄証明」と同じ扱いにはならないということです。

樺太の戸籍がない場合については、以前は、相続人全員から「他に相続人はいない」という上申書が必要でしたが、平成28年3月11日法務省民二第219号法務省民事局長通達により廃止されました。よって、知人の司法書士の先生によると、登記等には原則必要がない取り扱いになっていることが多いようです。

また、法務局での「法定相続情報一覧図」作成を依頼するときにも同様の扱いと思われますので、まずは「法定相続情報一覧図」の作成から入ると、登記及び金融機関等の対応もスムーズにいくと思います。「法定相続情報一覧図」がない場合、金融機関によっては、戸籍の連続性がない(欠けている期間がある)ということで、外務省の「保管していない旨の回答」の取得及び、遺産分割協議書に「他に相続人がいない」文言を追記して署名捺印、誓約書を作成する必要があります。

【ご参考】北方領土の戸籍
歯舞群島を除く北方領土の戸籍は釧路地方法務局根室支局、歯舞群島の戸籍等は根室市が保管されています。

【ご参考】外務省あて申請手続き
1.申請先
〒100-8919 東京都千代田区霞が関2-2-1 外務省アジア大洋州局地域政策参事官室外地整理

2.戸籍に記載されている本人、又はその親族が申請する場合

(1)申請書
(2)マイナンバーカード(個人番号カード)、運転免許証など公的機関が発行した身分証明書の写し
(3)旧樺太に本籍が置かれていたことが記載されている戸籍(除籍)謄本原本全頁
旧樺太への転籍又は旧樺太からの転籍についての記載がある部分をマーカー等で明示
(4)申請者の現時点での戸籍謄本原本全頁
(5)申請者と旧樺太戸籍の戸主、筆頭者との親族関係が確認出来る戸籍(除籍)謄本原本全頁
   (3)(4)の謄本において親族関係が確認できる場合には不要
(6)所要額の切手を貼付した返信用封筒

3.行政書士等に申請事務を依頼する場合

(1)依頼者(申請者本人)の申請書及び身分証明書の写し
(2)依頼者からの委任状(要署名)
(3)行政書士証などの身分証明の写し(表裏とも)
(4)旧樺太に本籍が置かれていたことが記載されている戸籍(除籍)謄本原本全頁
旧樺太への転籍又は旧樺太からの転籍についての記載がある部分をマーカー等で明示
(5)依頼者の現時点での戸籍謄本原本全頁
(6)依頼者と旧樺太戸籍の戸主・筆頭者との親族関係が確認できる戸籍(除籍)謄本原本全頁
(4)(5)の謄本において親族関係が確認できる場合には、当該謄本は不要です。
(7)所要額の切手を貼付した返信用封筒

4.法定代理人が申請する場合

(1)法定代理権を証明する公的文書の写し
(2)申請書
(3)法定代理人の身元が確認できる公的文書の写し
(4)旧樺太に本籍が置かれていたことが記載されている戸籍(除籍)謄本原本全頁
旧樺太への転籍又は旧樺太からの転籍についての記載がある部分をマーカー等で明示
(5)本人の現時点での戸籍謄本原本全頁
(6)本人と旧樺太戸籍の戸主/筆頭者との親族関係が確認できる戸籍(除籍)謄本原本全頁
(4)及び(5)の謄本において親族関係が確認できる場合には、当該謄本は不要です。
(7)所要額の切手を貼付した返信用封筒

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