札幌市の終活(埋葬・お墓・墓じまい)

終活において、「埋葬」や「お墓選び」は重要なポイントとなります。自分や家族の希望に合った埋葬方法やお墓を選び、事前に準備を進めることで、安心して人生を送ることができます。

札幌市にはさまざまな埋葬方法や墓地の選択肢があり、それぞれの事情や希望に応じた選び方が可能です。本記事では、札幌市における埋葬方法やお墓選びのポイントについて詳しく解説します。また、札幌市では終活支援サービスも充実しているため、不安な点があれば専門家に相談してみるのも良いでしょう。

お墓などの選び方

遺骨をどのように供養していくか、以下のような観点で、ご親族と一緒に考えましょう。

  • 形態(お墓、納骨堂、散骨)
  • 既にあるご先祖様のお墓などに入れるか、新しくお墓を買うのか
  • お墓の経営主体(市営、民間)
  • お墓の種類(家族墓、個人墓、合葬墓、樹木葬など)
  • 契約形態(永代供養、永代管理、永代契約、一定期間経過後合葬墓に移すなど)
  • 親族の中で誰が契約者・使用者になり、管理が必要な場合は管理していくか

お墓の種類や管理費によって費用が大きく異なります。おおよその費用は以下の通りです。

  • 一般墓地の墓石建立費用:100万円~200万円
  • 樹木葬:10万円~50万円
  • 納骨堂:30万円~80万円
  • 永代供養墓:10万円~50万円

札幌市の市営霊園

札幌市には、平岸霊園里塚霊園手稲平和霊園の3ヶ所の市営霊園があります。市営霊園は既にほとんどの区画が使用されているため、墓じまいなどによって生じた空き区画がある程度集まった場合に限り、墓地使用者の再公募を行っています。なお、再公募の時期は不定期となっております。札幌市営霊園(合同納骨塚を含む)では、生前契約に対応していないので、生前契約したい場合は民間の霊園での契約となります。

札幌市内・外には17ヶ所の旧設墓地があります。これらの墓地は、明治期に地域の住民により自然発生的に作られた埋葬地を始まりとしています。現在は札幌市が管理を引き継いでいますが、昔からあるお墓を代々継承していく方に限り使用が認めているため、新規の使用者募集は行っていません。

市営霊園では、墓所を使い始める時に、墓所使用料と清掃手数料を徴収し、それらを「霊園基金」として積み立て、その基金を運用して霊園の維持管理や整備・修繕を行っています。しかし、昨今の低金利の影響で基金の残額が減少してきていることや、各霊園の老朽化などに伴い修繕箇所が増えてきていることから、年々基金残高が減少している状況であり、令和21年度(2039年度)には基金が枯渇してしまう見通しです。

民間墓地

札幌市内には、民間事業者(公益法人)が運営する3つの民間墓地のほか、宗教法人が檀家などのために設置した寺院墓地が複数あります。

名称所在地連絡先(管理事務所)
真駒内滝野霊園札幌市南区滝野2番地011-592-1223
藤野聖山園札幌市南区藤野901番地011-592-1350
簾舞霊丘公園札幌市南区簾舞166番地011-596-3246

札幌市近郊も含めると、墓地にはまだまだ空き区画があることや、近年墓じまいが増えていること、お墓の有期限利用や合葬墓の需要が増えていることなどもあり、札幌市近郊においては墓地が足りなくなることはないと考えられています。

民間の納骨堂

屋内に遺骨を納める施設である納骨堂は、宗教法人が経営しており、そのほとんどは檀家、信者のために設置しているもので、誰でも利用できるものではりません。

檀家、信者からの要望を受け、毎年一定程度の納骨堂が新設、増設されているため、納骨堂も足りなくなることはないと考えられます。

散骨について

札幌市の札幌市営霊園・墓地で散骨は実施していません。なお、散骨は、法律や札幌市の条例・規則で規制はされておりませんが、散骨事業者を選ぶ際には、令和2年度厚生労働科学特別研究事業「墓地埋葬をめぐる現状と課題の調査研究」において取りまとめられた「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」への適合状況等を参考にしてください。

キーワード概要担当課電話番号
墓じまい(改葬)墓地・納骨堂等に埋蔵・収蔵されている遺骨を別の場所に移す「改葬」について案内しています。札幌市保健福祉局ウェルネス推進部施設管理課墓園管理係011-211-3525
合葬墓市営平岸霊園内に設置している合葬墓(合同納骨塚)について案内しています。札幌市保健福祉局ウェルネス推進部施設管理課霊園管理担当係(平岸霊園管理事務所)011-881-2110

引取り者のいない遺骨

札幌市では、自宅や病院などで身寄りのない単身者などが亡くなり、引取者がわからない遺骨や、身元が不明な行旅死亡人の遺骨は、引取者のない遺骨として、市が2年間保管してくれます。2年間の間に、札幌市の各区役所にて戸籍調査などを行い死亡者の遺骨の引取者を探しますが、引取者が現れない場合は、無縁仏として平岸霊園の合同納骨塚に納められています。高齢単身世帯が増えていることや、家族・親族関係が希薄になってきていることなどから、こうした引取者のない遺骨が増えてきている状況です。

墓じまいについて

お墓を継ぐ人や縁のある人がいなくなる、または、遺族に管理の手間をかけさせたくないなどの理由から、現在あるお墓を撤去することです。お墓に埋蔵されていた遺骨は、他の墓所に移すことになります。

  1. 民間の霊園・墓地の墓じまい
    それぞれの管理者に問い合わせて、精算費用を支払って墓じまいすることが多いです。
  2. 札幌市営霊園・札幌市営墓地の墓じまい
    札幌市施設管理課墓園管理係(電話番号011-211-3525)にお問い合わせください。
  3. 札幌市以外に存在するお墓の墓じまいの改葬
    まずは遺骨のある市町村役場にお問い合わせてください。

【ご参考】終活相談窓口

・札幌市は、市の窓口として、終活一般について相談できる窓口は設けておりません。
・札幌市は、終活の進め方や、事業者の紹介など終活一般の相談にも対応しておりません。
→困りごとに対しては、以下の相談先にて問い合わせ・相談することになります。

困りごと相談先
財産・資産行政書士、FP、金融機関、税理士など
遺言行政書士、司法書士、弁護士など
葬儀葬祭業者
お墓寺院、霊園
死後事務(官公所への届け出、
水道などの解約、遺品整理、
賃貸住宅の解約など)
行政書士など