令和7年4月以降、札幌市では、サービスの質の向上を図るため、児童発達支援、放課後等デイサービスの新規指定申請、既存事業者による新規出店について、国の基準に加え、札幌市独自の選定制度が導入されました。
選考期間中に選考書類を提出し、選考に受かって初めて指定申請をすることができることになります。選考に受からなければ、指定申請をすることもできません。既に児童発達支援等の事業所を運営する事業者が、新たな事業所の開設(新規出店)を行う場合も選定の対象になります。
要するに、令和7年4月以降、札幌市での児童発達支援、放課後等デイの新規開設・新規出店が極めて難しくなったということです。
令和7年度 指定申請の流れ(予定)
①選考募集:令和7年4月下旬~6月30日(予定)
有識者等で構成する委員会での協議を経て、基準を満たす事業者が選定されます。
②選考結果:令和7年7月下旬(予定)
③指定申請:選考された場合のみ、1年以内に申請
令和7年8月1日〜令和8年7月31日
④指定 :令和7年10月1日から令和8年9月30日まで
選考基準①設備・人員等
1. 事業所の所在
- 開所予定地の小学校区内における児童数に対しての事業所数
2. 事業所の設備
- 発達支援室の面積(児童1人当たりの面積)
- 独立した事務室、相談室の設置
- 支援に必要な機器、部屋の設置
3. 人員配置
- 札幌市が定める人員基準を上回る職員配置
※ 人員基準を除く職員の常勤換算の合計人数で採点
※ その他指導員を含む - 従業者のうち、常勤及び専従の人数
※管理者及び児童発達支援管理責任者を除く
管理者の障害児通所支援、障害児入所施設等に係る経験年数
従業者の障害児通所支援、障害児入所施設等の業務に係る経験年数
※管理者、児童発達支援管理責任者を除く
専門性の高い有効な発達支援を行うための専門職の配置
※原則、管理者・児童発達支援管理責任者以外で配置する職員で採点
4. 事業の継続性
- 安定した障害児通所支援の運営実績
- 適正な収支見通し
5. 職員研修、待遇等
- 職員の資質向上のための取組
- 職場環境の向上のための取組
6. 運営方針
- 障害児相談支援事業者、他事業所、関係機関との連携
- 地域ニーズの把握、地域との交流・連携
選考基準②発達支援の内容等
1. 意思決定支援
- 意思決定に係る能力、特性
- 意思決定に係る背景
2. アセスメント
- 発達の理解や意識
- 標準化された指標
- 社会モデルの視点
- 児童のストレングス
- 保護者のストレングス
3. 支援方針
- 目標設定
- インクルージョンの観点
- 策定プロセスと具体性
4. 支援内容
- ニーズ
- 特徴
5. 5領域
※「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」
- 個別支援計画
- プログラム
6. 家族支援、移行支援、地域支援・地域連携
- 家族支援
- 移行支援
- 地域支援・地域連携
選定から新規指定までの期間での内容の変更の可否
選定後の内容の変更は原則認められず、選定結果が取り消しされることになります。ただし、変更の内容が軽微である等で、札幌市が認めるものについては変更が可能です。
変更を認めない内容(例)
- 事業所開設地
- 管理者、児童発達管理責任者
- 従業者の減員
- 従業者の常勤から非常勤への変更、ほか
変更を認める内容(例)
- 管理者、児童発達支援管理責任者以外の従業者
- 従業者の増員
- 従業者の非常勤から常勤への変更、ほか
「変更を認めない内容」等を踏まえ、開設までの見通しを立て、必要な準備をしたうえで、選考書類の応募をすることが肝要です。また、発達の支援の内容等については、項目に沿った内容を確認して、必要に応じて変更等の見直しをしましょう。
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(ご参考)根拠法令
■児童福祉法
(指定障害児通所支援事業者の指定)
第21条の5の15 第21条の5の3第1項の指定は、内閣府令で定めるところにより、障害児通所支援事業を行う者の申 請により、障害児通所支援の種類及び障害児通所支援事業を行う事業所(以下「障害児通所支援事業所」という。)ごとに行 う。
2 放課後等デイサービスその他の内閣府令で定める障害児通所支援(以下この項及び第5項並びに第21条の5の20第 1項において「特定障害児通所支援」という。)に係る第21条の5の3第1項の指定は、当該特定障害児通所支援の量を定めてするものとする。
(中略)
5 都道府県知事は、特定障害児通所支援につき第一項の申請があった場合において、当該都道府県又は当該申請に係 る障害児通所支援事業所の所在地を含む区域(第33条の22第2項第2号の規定により都道府県が定める区域をいう。) における当該申請に係る種類ごとの指定通所支援の量が、同条第一項の規定により当該都道府県が定める都道府県障害 児福祉計画において定める当該都道府県若しくは当該区域の当該指定通所支援の必要な量に既に達しているか、又は当 該申請に係る事業者の指定によってこれを超えることになると認めるとき、その他の当該都道府県障害児福祉計画の達成に支障を生ずるおそれがあると認めるときは、第21条の5の3第1項の指定をしないことができる。
■児童福祉法施行規則
(特定障害児通所支援)
第18条の30の2 法第21条の5の15第2項に規定する内閣府令で定める障害児通所支援は、児童発達支援及び放課後 等デイサービスとする。